スープ作家 有賀さんの「環境と水」

2022年の夏から、定期的にブリタの水を使ったスープレシピをご提案いただくスープ作家の有賀薫さんに、水にまつわるお話を伺うシリーズ、第二弾は「環境と水」。環境問題を考えることも大切ですが、料理をする上でもキッチンが窮屈にならないことも大切、と有賀さん。日頃から環境のために意識していること、そしてサステナブルなスープのレシピを教えていただきました。


ー有賀さん、日頃環境のために意識していることはありますか?


「キッチンを預かる方に話を聞くと、みなさん食材を余らせないように工夫していると思います。各家庭の中だけで完結するのではなく、少し視野を広げて社会に影響を与えるような行動を心掛けると意識が変わってきます。」

確かに、購入したものを余らせないというのは日々の料理をする上でひそかに高いハードルです。

ー家庭だけではなく、社会に影響を与える行動とは具体的にどんなものですか?

「たとえば消費期限切れ近い食品を買ったり、包装の華美なものを買わないようにすることで、メーカーや流通の考え方を変えさせることも、私たちにできることのひとつです。今回ご紹介するレシピで使う牛乳も、昨今廃棄が問題になりました。スープの様にたっぷりと牛乳を使う時は、なるべく消費期限が短いものを買ったりしてもいいんじゃないかなって思います。」


今回は、環境をテーマに牛乳を使ったスープ「あさりとキャベツのミルクチャウダー」をご紹介いただきました。

あさりとキャベツのミルクチャウダー

▼材料(2〜3人分)

  • あさり 250g ※砂抜きしていないものは砂抜きをする
  • キャベツ 2~3枚(150g)
  • たまねぎ 1/4個
  • にんにく 1片
  • 小麦粉 大さじ1
  • オリーブオイル 大さじ1
  • 牛乳 1カップ
  • ブリタの水 300mL
  • 塩 小さじ1/2
  • 胡椒 少々
作りかた

ステップ1

キャベツは2㎝幅ぐらいに切る。たまねぎは薄切りにする。にんにくはつぶす。

小麦粉を同量の水とねり合わせておく。

ステップ2

鍋にオリーブオイル大さじ1とたまねぎ、にんにくを入れて中火にかけ、たまねぎに透明感が出てきたらキャベツも加えてしっかり炒める。

ステップ3

ブリタの水300mLと塩、水と練り合わせておいた小麦粉を加えて3~4分煮たら、あさりと牛乳も加えてさらに煮る。あさりの口が開いたら味を見て、胡椒をふる。

完成です。


ー作るときのポイントはありますか?

「今回、とろみ付けは水溶きの小麦粉にしました。片栗粉でも大丈夫です。とろみ付けするときは、しっかり同量の水で溶いておくと失敗しないですよ。」

程よい軽さのミルクチャウダーは、あさりの出汁をおいしくいただくのにぴったりでした。キャベツもたっぷり食べられます。

ー環境について思うことがあれば教えてください

「環境問題はすごくバランスの難しい問題ですよね。取り組み過ぎてそれに囚われてしまうと、周りもつらいし、何より自分もつらくなっていく。そして続かなくなっちゃったら意味がないですよね。だから少しづつ、出来ることを、でいいんじゃないかなって思います。」

料理をする上でもキッチンが窮屈にならないことが大切、と有賀さん。ストレスにならない絶妙なバランスは、人によって違うもの。自分の心地よさを見つけ出して、自分なりの環境への取り組みをしていきたいですね。


レシピ提供:有賀 薫 スープ作家

約10年間3500日以上、毎朝作り続けたスープを土台に、シンプルで作りやすいスープのレシピと暮らしの考え方を各種メディアで発信中。

雑誌・ウェブメディアの連載多数。著書に『スープ・レッスン1.2』(プレジデント社)、『朝10分でできる スープ弁当』(マガジンハウス・2020年レシピ本大賞入賞)、『有賀薫の豚汁レボリューション』(家の光協会)など。

最新刊は『有賀薫のベジ食べる!』野菜がたっぷり食べられる一冊です。