2022年の夏から、定期的にブリタの水を使ったスープレシピをご提案いただくスープ作家の有賀薫さんに、「料理と水」について、お話を伺いました。水のおいしさが重要なシンプルなポトフのレシピと共に、ご紹介します。
ー有賀さんはスープづくりにおいて、水を意識しているのでしょうか?
「スープって基本、火を通すもの。水道水でも煮込む間にカルキ臭などは抜けますし、そこまで味に影響はないと思っています。ただ、もちろんそれはスープの種類にもよります。」
ーどんなスープの時、水を意識するのですか?
「例えばポトフ。私が今回作るポトフは、水で素材を煮込むだけのシンプルなもの。ポトフはシンプルなだけに、もっとも水のおいしさが際立つスープといえます。
今回のポトフは、鶏ももを一度茹でこぼし、鶏のアクを流してから、きれいなブリタの水でスープを煮込んでいます。オイルも使わずに水の力だけで味を引き出すんです。
こういう時は、やっぱり水によって味に違いが出るなって思います。」
今回は、「料理と水」をテーマにレシピをご提案いただきました。水のおいしさが重要なシンプルなスープ「ポトフ」をご紹介します。
▼材料(2人分)
- 鶏もも肉 1枚 (300g)
- ソーセージ 4本
- 長ねぎ 1/2本
- 新じゃがいも 小4個 (大きなものなら2個) ※鍋の大きさに合わせてください
- スナップエンドウ 6本
- 塩 小さじ1と1/2
- 胡椒 適量
ーこのポトフを作るときのポイントを教えてください
「シンプルな分、下処理を丁寧にすると仕上がりに差が出ます。鶏肉のゆでこぼしもそのひとつなのですが、それ以外には、じゃがいもの皮をむいた後に少しでんぷんを落とす。そうすると、仕上がりのスープが雑味が無くなりよりクリアになります。
また、煮込むときにふたをせず、スープの表面がゆれるぐらいの火加減で煮込むのも、ポトフをおいしく作るポイントです。ふたをすると中の温度が上がりすぎてボコボコ沸いてしまい、スープが濁ります。スープの蒸発が気になる場合はふたをちょっとずらしてかけて、ときどき中をのぞいて確認してください。」
有賀さんが作ったブリタの水を使ったポトフは、澄んだスープが滋味深く、素材の味を楽しめるものでした。毎回、有賀さんに作っていただくレシピで驚かされるのはそのシンプルな味付けです。
ー今回も味付けは塩のみでしたね
「野菜の旨味、肉の旨味や脂が時間をかけて十分、水に溶け出していますから、それだけで美味しいんですよ。それをさらに引き出すために塩で整える。そんな感じです。最後にバターをひとかけ落として風味付けしようかなと思っていましたが、無くても良さそう。」
ポトフはメインとしても楽しめるお料理。盛り付けもゴロっと存在感のある具材がおすすめです。今回は、鶏ももを大きめにカットし、新じゃがも切らずに煮込みました。彩りは旬の野菜で。季節を楽しむのにもピッタリのスープです。
ー他の季節なら、どんな具材がおすすめですか?
夏ならトマト、秋なられんこんやたまねぎ、冬はかぶやキャベツ、長ネギなどもおすすめです。
ブリタの水のおいしさを存分に楽しめる春のポトフを教えていただきました。仕込んでしまえば放っておけるので、作っている間は音楽を聴いたり本を読んだり、ゆったりと豊かな時間になります。ひと手間かけた素材を美味しくいただく、そんな至福の時が、料理をつくるご褒美でもありますね。
レシピ提供:有賀 薫 スープ作家
約10年間3500日以上、毎朝作り続けたスープを土台に、シンプルで作りやすいスープのレシピと暮らしの考え方を各種メディアで発信中。cakes連載『スープ・レッスン』ほか、雑誌・ウェブメディアの連載多数。著書に『スープ・レッスン1.2』(プレジデント社)、『朝10分でできる スープ弁当』(マガジンハウス・2020年レシピ本大賞入賞)、『スープかけごはんでいいんじゃない?』(ライツ社)、『有賀薫の豚汁レボリューション』(家の光協会)、『こうして私は料理が得意になってしまった』(大和書房)。
最新刊は『有賀薫のベジ食べる!』野菜がたっぷり食べられる一冊です。