風邪予防に有効とされる1日あたりの水分摂取量は約1.5〜2Lといわれています。今回全国の20代〜60代の男女計643人にインターネットで調査した結果、1.5L以上の水分補給ができているという人は、約25%という結果でした。「わからないという回答を除く65.2%の人が風邪予防に有効な水分補給量が不足していることが分かりました。
では、頻度はどうでしょうか?風邪予防に有効とされる1日あたりの水分摂取頻度は1〜2時間に一回以上といわれています。今回の調査では、1時間に一回以上の水分補給をしている人が58.2%と半数以上、2時間に一回以上の水分補給をしている人は、75.9%になりました。
水分補給で免疫力がアップするのはなぜ?
では、風邪予防に水分補給が好ましいのは、なぜなのでしょうか?テレビや雑誌などでも活躍されている医師・工藤孝文氏に伺いました。
免疫力をアップさせるために必要な、一日あたりの水分摂取量と適切な水分摂取頻度
1日あたり1.5~2L程度を目安にすると良いと思います。一気に飲むのではなく、コップ1杯程度の量を1~2時間おきぐらいに分けて飲むと良いでしょう。
ただし、冬場の水道水は冷たいので内臓を冷やして、反って免疫が低下してしまう可能性もあります。できれば常温に戻してからか、白湯がおすすめです。
工藤 孝文
内科医。統合医療医。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。
現在は、自身のクリニック:福岡県みやま市の工藤内科で地域医療を担っている。専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満症などの生活習慣病で、また、西洋医学と東洋医学合わせたハイブリッド治療に定評がある。NHK「ガッテン!」日本テレビ「世界一受けたい授業」フジテレビ「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演多数。厚労省が推進している『健康のため水を飲もう』をスローガンに水と健康の基本情報の啓発活動にも力を注いでいる。
日本内科学会、日本糖尿病学会、日本肥満学会、日本東洋医学会、日本抗加齢医学会、日本女性医学学会、日本高血圧学会、日本甲状腺学会、小児慢性疾病指定医。
水分摂取が不足すると血液中の水分も不足し、血流が悪くなります。こまめに水分を補給することで血流が改善すると白血球などの免疫効果が全身に行き渡るようになります。また、血流が良くなり新陳代謝が活発になることで免疫細胞の働きが活発になると思われます。(低体温では免疫の働きは低下してしまいます。)
また、冬場のインフルエンザウイルスなどは乾燥状態で活動が活発になります。水分を摂取することで不足している身体の水分量が増え、ウイルスが増殖しにくい体内環境になるものと思われます。
さらに、鼻や気管には線毛と呼ばれるウイルスなどの異物を粘液とともに体外に排出するシステムが備わっています。水分不足で線毛が乾燥してしまうと、この働きは低下します。水分を摂取することで線毛に潤いが保たれ、ウイルスの排出を十分に行うことができます。
また外出先での水分補給はもちろんですが、家にいる間の水分補給も不可欠です。こまめに水分補給をするようにしましょう。
今回の調査では、適度な頻度で水分補給ができている人が多い一方で、風邪予防に有効な水分補給量を摂取できている人は少ないという事が分かりました。
そこで、今回は水分補給量を確保するためのアイデアをいくつかご紹介します。
- まず、起きた後、朝一番に1杯の水を飲みましょう。
- 仕事中はデスクや手の届くところに水の入ったボトルを置いておきましょう。
- 大きなボトルを使って1日の水分量を設定するのもおススメです。
- 食事のたびに水を1杯飲みます。
- コーヒーやソフトドリンクとともに水を1杯のみましょう。
正しく、適切な量の水分補給をし、風邪予防に努めましょう。
調査対象:全国の20代〜60代の男女計643人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2020年10月23日(金)~10月26日(月)
※調査結果の数値は小数点以下を適宜四捨五入して表示しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合があります。