最初のポット型浄水器 – 正式名「Haushaltswasserfilter I」(家庭用浄水器I) – は、透明な水受け部型の容器に設置されました。シンプルで機能的。水受け部の形と明るいオレンジ色は、70年代の特徴的なスタイルです。それでも、浄化の仕組みは先見性があるものでした。ハンカマーはイオン交換樹脂と活性炭を使用して、水アカとともに味とにおいを損なう物質を低減しました。その結果、よりやわらく、おいしい水ができあがりました。当時も、そして今も。
ブリタ:50年の歴史
ドイツのサクセスストーリー:最初のポット型浄水器から受賞製品まで。
紅茶のテスター、リサイクルのプロ、デザイン賞の受賞
課題:ハインツ・ハンカマーは、ろ過した水で作った紅茶が味も外見もよくなることを知っていました。でも、どうやって他の人を説得したのでしょう? 紅茶のテストを開発するのです。そこで2杯の紅茶を用意しました。普通の水道水でいれた紅茶とブリタの水でいれた紅茶です。紅茶でいれた紅茶は冷めた後、不快な筋ができていましたが、もう片方の紅茶は透明で香りもよいままでした。これを見た人は誰もが感銘を受けました。
ハインツ・ハンカマーは根気強く、サステナビリティや責任といった課題を見失うことなく、製品の技術的な詳細を改善しました。当初は補充用にフィルター素材しか提供していませんでしたが、1979年には補充用フィルターカートリッジがブリタのポートフォリオに加わりました。
1992年以降はドイツのタウヌスシュタインにある会社の敷地内に使用済みカートリッジの社内リサイクル施設が設置されました。ここでブリタは、カートリッジに含まれている活性炭とイオン交換樹脂の混合物を分離します。次のステップは再生室で行われます。ここでイオン交換樹脂は生まれ変わり、新しいフィルターカートリッジの混合物に使われます。
工学的な調査を行い、業務用のフィルターを含めるよう製品範囲を広げた上、ブリタは長い間、デザインに焦点を当ててきました。ハインツ・ハンカマーは「クリア、有用、経済的」というモットーを掲げました。これは現在でもブリタのデザイナーが従っており、大きな成功をおさめています。ポット型浄水器のNaveliaは2008年に日本のグッドデザイン賞、2009年には有名なレッドドット賞を受賞しました。
ヨーロッパ製の品質
業務用のフィルターを1980年に発売した後、バリスタやレストランのオーナーの間でブリタの人気が急騰しました。その理由はシンプル。ろ過した水はおいしいのです。完全な芳香が増すため、コーヒー、お茶、食べ物が繊細なおいしさを発揮できます。この部門はすぐに成長しました。ブリタでろ過された水は、高価な機器を保護する上でも役立ったからです。水アカの堆積で生じる機械と機器の高価なメンテナンスや修理は不要になります。現在では、病院、老人ホーム、学校、幼稚園、オフィスでも、それぞれに合ったブリタ浄水ソリューションを設置できます。
1999年からブリタグループのCEOを務めているマーカス・ハンカマーは、父親の先見性にいまだに驚いています。当時、どうやって「世界的なニッチ市場を発展させていると疑うことなく、自信をもって、ほとんど未知の技術を実現できた」のでしょう。ブリタが作り出した市場は現在でも業界のトップを走っています。
世界中で28ヶ所の国内・海外子会社と66ヶ国の支店で1827人の従業員がブリタに勤務しています。ドイツの本社では942人が働いています。家族経営の会社はドイツ、英国、イタリア 、中国に製造工場を維持しています。
世界的な拡張
世界中に事業を広げることは主要な戦略的目標です。最初の市場はスペインとフランスでした。80年代には英国に広がり、同国は今でも重要な市場です。現在、ブリタは日本、中国、台湾、香港でアジアの子会社を運営しています。ブリタは最近、アジアへの入口であるトルコにもオフィスを開設しました。
他の文化の水を飲む習慣を把握して、飲料水を改善することは、革新的な技術と近代的な製品を開発する上で大きな原動力になっています。こうして世界はブリタを見出しました。当社は「信頼と専門知識」を標榜していると、マーカス・ハンカマーは言います。