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【医師監修】1日に必要な水分量とは?

人間の身体の50%~70%は水でできているので、水分補給は、健康や美容などの観点で重要とされています。1日の水分補給は、のどが乾いたら飲むというだけで良いのでしょうか?健康や美容のために必要な水分量というのはあるのでしょうか?水を飲むことの必要性やメリットとともに、1日に必要な水分量について内科医の工藤先生に解説していただきます。

水を飲むことの必要性やメリット

水は酸素や栄養素の運搬、老廃物の排出、体温調整などの生命維持に必要な役割を担っており、十分な量を摂取することで、健康・美容の面でメリットが得られるといわれています。具体的にはどんなメリットなのでしょうか?
 

  1. 代謝が良くなる
    適切な水分補給により、血流が良くなります。血流が良くなると新陳代謝が活発になり、細胞が活性化されて免疫機能が高まると言われています。
  2. 便通が改善される
    男性よりも女性の方がのどの渇きを感じにくいと言われており、便秘が女性に多いのもそのため。のどが渇いてからではなく、意識的に水を摂ることが大切です。
  3. むくみの改善
    むくみの最大の原因は、水分不足から脳が汗などを出さずに水分をため込むように指令を出すことです。体内の水分量がキープされるとむくみが取れてすっきりすると言われています。
  4. ストレス軽減
    水には心を落ち着かせる「鎮静作用」があります。イライラや不安、怒り、悲しみなどの“負”の感情が沸いてきたら水を1杯飲みましょう。
  5. 目覚め
    起床の際、冷たい水をコップ1杯飲むと胃腸が 刺激されて、すっきり目覚めることができます。
    ※ただし、胃腸が弱い方は常温での飲水をおすすめします。
  6. 肌のうるおい
    体内の水が足りなくなるとヒアルロン酸が減り、肌の乾燥が進みます。水は肌の生まれ変わりをサポートし、みずみずしく若々しい肌を保つのに役立ちます。

1日に必要な水分量の考え方と注意点

それでは、1日にどれくらいの水を飲む必要があるのでしょう? 人間は呼吸、消化活動、発汗によって、運動などをしていなくても水分を失います。よって、のどの渇きを感じなくても水分補給をすることが必要になります。そのことも踏まえ、1日の必要水分摂取量の目安は、体重1㎏あたり、30ml~40mlです。

  • 体重50㎏の場合、50㎏×30ml~40ml 1,500ml~2,000ml(1.5L~2L)
  • 体重60㎏の場合、60㎏×30ml~40ml 1,800ml~2,400ml(1.8L~2.4L)

基本的な考え方として、体重が多いほど必要な水分量も増えます。ただし、飲み過ぎもNGです。推奨される毎日の摂取量は、腎臓と心臓が対応できる量を反映しています。

毎日飲む必要のある水の量は、年齢や食事、活動レベル、天候の影響も受けます。
特に、高齢者は喉が渇いたと感じることが減り、全体的に摂取量も下がる傾向にあります。これにより、心臓血管の問題から免疫系の低下にいたるまで様々な影響が出る可能性がありますので、こまめな水分補給を心がけましょう。

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必要な水分補給をするコツ

水分補給は、こまめにちょっとずつ飲むのが良いとされています。
起床時・毎食前・食事中・空腹時・入浴前・就寝前など、何かのアクションとともに水分補給を習慣化しましょう。
特に、朝一番に1杯の水はおすすめです。寝ている間に失った水分を補給し、体の毒素を排除して、1日をさわやかに始められます。また、午前中に1Lを目指しましょう。職場でデスクや手の届くところに水の入ったボトルを置いておくといいでしょう。もちろん出かける際にもマイボトルで水を持っていき、水分補給を心がけるとよいですね。少し、変化が欲しいときは、ベリー類やレモン、ハーブを加えたフレーバーウォーターはいかがでしょうか?ぜひ試してみてくださいね。
 

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監修 工藤孝文 氏

内科医。統合医療医。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、自身のクリニック:福岡県みやま市の工藤内科で地域医療を担っている。専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満症などの生活習慣病で、また、西洋医学と東洋医学合わせたハイブリッド治療に定評がある。NHK「ガッテン!」日本テレビ「世界一受けたい授業」フジテレビ「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演多数。

厚労省が推進している『健康のため水を飲もう』をスローガンに水と健康の基本情報の啓発活動にも力を注いでいる。日本内科学会、日本糖尿病学会、日本肥満学会、日本東洋医学会、日本抗加齢医学会、日本女性医学学会、日本高血圧学会、日本甲状腺学会、小児慢性疾病指定医。